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「総合的な探究の時間」発表会を実施しました。

2022/02/06

高校

※マスクの徹底や交流時間を短時間に区切る、会場を小分けし人数を通常授業以下にするといった感染拡大防止対策を講じた上で実施しています。

 

「総合的な探究の時間」は、学習指導要領の改訂に伴って2年前から始まった、新しい学習活動です。

これまでの学習活動との最大の違いは、教員から与えられた課題や問いに対して生徒が答えるのではなく、生徒自身の興味関心や問いを、生徒自らが解決していくという点です。

 

教員は生徒の活動に対してファシリテーター(グループや組織で物事を進めていくときに進行を円滑にし、目的を達成できるよう、中立的な立場から働き掛ける役割を担う人、アドバイザーよりもより間接的に関わる)として関わってきました。

特定の結論や答え、結果を得ることよりも、一見時間の無駄と思われるかもしれませんが、その結論や結果にいたる研究過程や試行錯誤の過程を重視する活動であると位置づけられています。

 

例えば、あるチームは「働きがい」について探究しました。当初は「『働きがい』とは賃金であり、その賃金を用いて余暇をどう過ごすか」という仮説を立てていましたが、ファシリテーターと対話し、調査や手法を再検討、さらにはアンケートや取材などの活動を行うなかで、最終的には「何を『働きがい』とするかは世代によって異なる。まだ働いていない学生と働きはじめの若い世代、ベテランでは異なる。若い世代は業務そのものの習得や達成に働きがいを感じているが、ベテラン世代は培った人間関係に働きがいを感じている。」といった新たな結論を出していました。これは活動の中で、生徒達が変容し、「働きがい」について多面的で多角的なアプローチをおこなった結果です。

 

調査・取材の活動では、学外と繋がるチームも見られました。福島の漁師の方や彦根市役所の方、平和堂の方などとアポイントメントを取り、ICTを用いたインタビューやアンケートの設置等の活動を実施していました。

ZOOMを活用して東北の企業に取材

2月2日(水)に行われた発表会では、見やすいよう、興味を引くよう工夫されたポスターが立ち並び、どのチームも探究内容を熱心に伝えようとする姿が見られました。

中学3年生と高校1年生が短時間、オーディエンスとして参加しましたが、その時は更に発表態度がさらに引き締まり、自分たちが探究してきた内容を何とかしてわかってもらおうと意識する姿が印象的でした。質疑応答の時間に中学3年生から本質的な質問をされて返答に困る場面もありました。対応した生徒は「中学生は考えもしなかった点を鋭く突いてくるのでびっくりした。」といった感想を述べてくれました。

確かに結果や結論だけを見ると、まだまだ不慣れで未熟と言える部分があります。とくに環境問題やエネルギー問題をテーマとすると、高校生にできることなど限られてしまうため陳腐化してしまう傾向にあります。

しかし、この活動の目的は結果では無く過程です。

今回の活動が、一人一人が充実した幸せな人生を送るといった結果をもたらすための”過程”のひとつであったことは疑いの余地がありません。

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