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河瀬中学校卒業式を挙行しました

2024/03/28

中学校

滋賀県立河瀬中学校 第十九回 卒業証書授与式 式辞

 

三月も半ばを過ぎ、セミナーハウス前の早咲きの桜も咲き始め、春も間近となりました。本日ここに、多数の保護者の皆様にご列席いただき、滋賀県立河瀬中学校 第十九回 卒業証書授与式を挙行できますことは、本校にとりまして、この上ない喜びでございます。高壇からではございますが、厚くお礼申しあげます。

 

ただいま卒業証書を授与しました八十名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは三年前、各小学校から中高一貫教育校である本校への入学を希望し、本校での学びに大きな期待と意欲を持って入学されました。しかしながら、入学時はまさにコロナ禍の真っただ中で、様々な制約を受けながら中学校生活がスタートしました。その後の、皆さんの生活は、感染拡大の波に影響を受けながらも、少しずつ日常を取り戻し、昨年十月に実施した東京・横須賀方面の修学旅行には、学年全員で参加し無事に終えることができました。

 

さて、ここで卒業生の皆さんへのはなむけの言葉として、一つ話をしたいと思います。

 

数学者の広中平祐という先生を知っているでしょうか。数学分野には、皆さんがよく知っているノーベル賞がないのですが、数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞された方です。その先生の著書「生きること 学ぶこと」の中で、「人はなぜ勉強しなければならないのか」との問いに対して、それは「知恵を身につけるためではないか」と答えておられます。また、先生ご自身は、中学時代にクラシック音楽やピアノに没頭された経験が、最終的に数学という学問を志し、研究する上で役立っているとおっしゃっておられます。人の一生は、直線的ではなく、ジグザグしているのが普通であり、その過程で繰り返した試行錯誤は、絶対に無駄ではないとも言い切っておられます。皆さんのこれからの人生も、近道ばかりで進んでいくものではなく、時には回り道と思えることもあるはずです。さらに、先生は、仏教に「因縁」という言葉があり、我々がよく耳にする言葉の意味とはやや異なる意味を紹介されています。因というのは「おおもと」の意味で内的なものを指し、この内的なものに対して外的なものが縁であると。親から受け継いだものや身近な友人から学んだもの、また幾度か試行錯誤した体験による知識などが自分の中に蓄積されて「因」を作り、その「因」が「縁」を得て、その人の志となり、行動となり、道となっていくのだと、ご自身のこれまでの人生を振り返って述べておられます。皆さんの中にも、夢や目標というものがしっかりと定まっていない人もいるかとは思いますが、これからの人生を、自分の気持ちの「因」とこれからの人との出会いの「縁」によって切り開いていってほしいと思います。

 

最後になりましたが、ご参列いただきました保護者の皆様には、お子様の映えあるご卒業を、心よりお祝い申しあげます。入学以来、お子様を支え、見守ってこられましたそのご苦労を思いますと、感慨もひとしおと拝察いたします。誠におめでとうございます。三年間、本校の教育方針や教育活動に深いご理解をいただきましたことに、改めて深く感謝申しあげます。

 

それでは、卒業生の皆さんの中学校全教育課程の修了をお祝いし、また、高等学校でのより一層の活躍を期待して式辞とします。

 

 

令和六年三月二十二日     滋賀県立河瀬中学校長  髙田 武治

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